2019-01-01から1年間の記事一覧

犯罪者を欲する人々

最近、犯罪者の報道が盛り上がっている。特にネットのコメント欄では日夜、犯罪者に対して、罵詈雑言が浴びせられており、いわゆるネットの「おもちゃ」として消費されているようだ。このような風潮に対して、少し冷や水を浴びせかけておきたい。 そもそも、…

小津安二郎 「東京暮色」

「東京物語」の感想と時系列が前後しますが、「東京暮色」の感想を遅ればせながら、書いてみます。 「東京暮色」は有馬稲子の美貌と薄幸の運命が見事にマッチした名作だと思います。ただ、世間ではあまり評判が芳しくなく、有馬さんの演技力に難癖をつける人…

小津安二郎 『東京物語』

見よう見ようと思って見ていなかった小津安二郎監督作品『東京物語』をやっと見ました。小津映画はこれが二本目で少し前に『東京暮色』を見て、ああ良いなあと思って、ちょっと敷居が高いと思っていた『東京物語』もこれで見られるのではないかと確信し、TSU…

天気の子 感想続き

また、「天気の子」を貶そうと駄文を連ねているのかと批判されそうですが、書くしかないのです。 僕がこの映画を好きになれない点は以下の二つです。一つは、田舎の青年というものは都会に憧れるものだという幻想。もうひとつは、世界を救いたい子どもたちvs…

天気の子 感想

今日、深海監督最新作「天気の子」を見に行きました。結論からいうと、ああーまたかという感じですね。「君の名は。」もそうだけど、いわゆる「愛」のパワーで解決みたいな話はやめてもらいたいなと思いました。何らの必然性もなく、すべてがご都合主義なん…

「道徳の系譜」続き

僧職者的価値観に依拠した「畜群」達は道徳上において奴隷一揆を始める。彼らは自らの敵を自力で復讐できずに「反感」(ルサンチマン)を募らせ、自分以外のものをあたまから否定する。まず「悪い敵」を見つけて、その対照である自分=「よい人間」を見いだす…

1話目 「道徳の系譜」ニーチェ

1話目といっても、何を書くか迷っていたのですが、最近手に取ったニーチェの「道徳の系譜」の感想でも書いてみようかなと思います。 一読すれば分かりますが、ニーチェっていう人は、非常にサービス精神旺盛な文章を書くんですね。例えば、「本書(道徳の系譜…

このblogについて

基本的に読書日記というかたちで書いていこうと思っています。もちろん、僕の興味を持っていることや生活面も書くこともあるかもしれません。あまり肩肘張らずに自由に書いていきます。 ではでは。